「たった30分ほどの仕事でクレープ4つ分だぞ? 外の世界で働くよりもよっぽど賃金もいいってことだ」




外での最低賃金に比べると、たしかに高いかもしれないけど、そういうことじゃないんだ。




「働きたくないなら、次もまたゲームで俺が負けてやるから」




尋が私の肩をぽんっと叩く。




「そんな……」



「とりあえずさ、ジェットコースター行ってみようよ!」




繭乃の言葉を合図に私達は渋々動き出したのだった。



☆☆☆



こんな遊園地早く脱出したい。

絶対におかしい。

そう思うのに、園内には甘い誘惑が沢山あって逃げ出す気力がどんどん少なくなっていく。

きっと、これも遊園地側の思惑どおりなんだろう。

園内には同じジャージを着たチームが何組も存在していて、それぞれアトラクションを楽しんだりご飯を食べたりと有意義に過ごしているのがわかる。

目が覚めてから時間がたったから、この場所になれてきたのかも知れない。

そうこうしている間にジェットコースター乗り場までやってきていた。

並んでいるチームは見当たらない。