「ゲームをして、クレジット人間を決めるってやつですか?」




大橋くんが青ざめながらも質問する。

女性は大きく頷いた。




「そうよ。ただし、ゲームで勝ち負けを決めるのは自分で払いたくない場合ね。自分で支払ってもいいという場合には、自分がクレジット人間になれる」



「それって、労働して支払うってことでいいんですよね?」



「まぁ、そういうことね。あなたに施した処置の費用だと、それほど高額にもならないなら、半日ここで手伝いをしてくれれば充分よ」




女性の言葉に明らかに大橋くんが安堵するのがわかった。

半日間のアルバイト。

そう考えれば簡単なものだ。




「じゃあ、俺がクレジット人間になります」




大橋くんの言葉におかっぱの女の子が一瞬複雑な表情を浮かべたのがわかった。

きっと、心配しているのだろう。

こんなわけのわからない場所で労働するなんて大丈夫だろうかと。

大橋くんはそんな心配を汲み取ったように、女の子へ向けて微笑みかけた。

もしかしからこのふたりは相思相愛なのかもしれない。




「そう。じゃあこれで成立ってことね」




女性はそう言うと、大橋くん以外のメンバーを救護室の外へ追い出してしまった。




「半日したら返してあげるから、安心して」