とにかく家に帰りたかった。

暖かくて守られているという安心が得られる場所へ。




「そうだな。起きたら一緒に甘いものでもどう?」




その言葉に私は思わず笑ってしまった。

そう言えば甘いものの久しく食べていなかった。




「いいね。お金、沢山あるもんね」



「溺れるほどパフェが食べられるぞ」



「ハンバーグや、ピザも」



「もちろんだ」




私達は手をつなぎ、重たいアタッシュケースを持って歩き出す。




「重たいな」



「そりゃそうだよ。2億円以上あるんだから」



「貸倉庫でも探して置いておかないとなぁ」