「それならそれでいいんじゃないか? 4千万円払っても随分残る。それだけあれば充分だ」




智道は私へ視線を向けてそう言ってきた。

私は頷く。

智道が選んだことなら、私はなにも言うことはなかった。

お金をもらってふたりでやり直すんだ。




「そっか。残念」




クマはまだ面白い展開を望んでいたようで、肩をすくめている。




「それじゃ、その機械は取り外さないとね」




クマが私たちの腹部を指差す。




「取ってくれるの!?」




これが外れる日がくるなんて思っていなくて、思わず声を上げる。




「遊園地から正当に出ていくんだ。取らないとダメでしょ」