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ぼふっぼふっぼふっ。

そんな音が聞こえてきて私は目を開けた。

周囲は薄暗くて、ガラスが割られた窓から差し込む朝日によってホコリがキラキラと待って見える。

私が眠っていたのはカビの生えたマットの上で、嫌な匂いが染み付いている。

それも、今はもう気にならなくなってしまったけれど。

私と智道が森の中の廃墟にたどり着いてから半年が経過していた。

日付感覚がなくならないように、ここに来てから1日一筋のキズを壁につけるようにしている。

水は近くの川から。

食べ物は時折街へ降りていって。飲食店などの廃棄を頂いてきている。

時折優しい店主が私と智道にアルバイトをしないかと持ちかけてくれるけれど、私達はそれを断っていた。

もしもその店に遊園地の関係者が来たら?

そのときはまた連れ戻されてしまうかもしれない。

そんな恐怖心が強くて、この生活を続けている。