着ぐるみの中でしゃべるとそれが機械音となって外に流れる。

私は尋を、智道は繭乃を連れて施設内へと向かう。

ふたりは電流で動きを制御されているから、抗うこともない。

ドアの前に到着して暗証番号を入力。

するとついさっき逃げ出してきた通路が現れる。

4人で奥へと進んでいくけれど、倒れた監視の姿はすでになかった。

床の血溜まりもきれいに掃除されている。

複雑な心境になりながらも、私と智道は仕事部屋のドアを開けた。

ドアは音もなく左右に開く。




「なんだよこの部屋! 少しくらい説明しろよ!」




尋が必死で暴れようとしているけれど、口先だけだ。

体はすでに部屋の中に入っていた。




「説明は他の人がしてくれる」




智道はそう言うと、繭乃を部屋に押し入れてドアを閉めたのだった……。