「くそっ、ダメか」




最後のほうでなかなか揃わなくてイライラしはじめているのがわかった。

尋のカードは残り3枚になった。




「ちょっと、なんなのよ!」




繭乃が焦りの色を濃くしていく。

ここで勝っておかないと、負けたふたりが労働へ行かされてしまう。

尋へ視線を向けると、なんでもない表情でそっぽを向いている。

自分の彼女や浮気相手がピンチでも、助ける気は毛頭ないようだ。

こんな最低な人間が好きだったなんて、自分でも驚いている。

こういうような状況にいれば、誰だって本性が顕になるものだ。




「やった! 合った!」




繭乃が智道のカードをひき、ペアが揃って飛び跳ねて喜んでいる。

繭乃の手持ちはあと2枚。

今度は智道が尋のカードをひく番だ。

これでペアができればあがれる!