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それから10分ほど経過したとき、私の手持ちのカードはあと1枚となっていた。

これを隣の智道が引けばあがりだ!

思わず笑みが浮かぶ。




「良かった。本当に良かったよ」




智道が嬉しそうに何度も呟きながら、私の最後のカードを引いた。

これで、あがりだ!

しかも一番勝ちということになるから、私がクレジット人間になることは絶対にない!

嬉しさがこみ上げてきて目頭が熱くなっていく。

必死に涙を殺してゲームの展開を見守った。

智道の手持ちのカードはあと2枚。

尋は3枚。

繭乃は調子がよくないのか、4枚残っていて不機嫌そうだ。




「恵利があがったから、今度は俺のカードを尋がひくんだ」



「それくらいわかってる」




尋は仏頂面のまま智道のカードを引いた。

しかし揃わない。

次は尋が繭乃のカードをひく。