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「逃げろ!」




智道が叫んで立ち上がるよりも先に尋が私の腕を掴んでいた。

繭乃も智道の行く先を塞ぐように仁王立ちをする。

さっきまで走っていた私達の体力はすり減っていて、手を振りほどいたり隙間を縫って逃げることができなかった。

おとなしく捕まることになってしまう。




「驚いたな。どうやって施設から逃げたんだ?」




そう言ったのはクマだった。

関心したような雰囲気が漂ってくる。




「ちゃんと労働しなきゃダメじゃん。逃げたりしてたら、今度は殺してもらうようにするよ?」




繭乃は呆れた口調で、だけど鋭い視線を私達に向けている。

今度は殺される。

そう思うと心臓がキュッと縮み上がる。

ここまで逃げ出してきた私達を遊園地の人間がどうするか、考えただけで恐ろしい。




「お願い助けて。もう1度ちゃんと仕事をするから。今度は絶対に逃げ出さないから」