ピッと小さな音がして汗が吹き出す。

警報機は鳴らない。

セーフだ!

次は「8」。

これもセーフ。

私は指先の汗をジャージで拭って息を吸い込んだ。

あと半部だ。

次は「1」。

これもセーフ!

これなら最後の数字も大丈夫にきまってる!

一気に希望が開けてきて頬がゆるむ。

嬉しくて泣いてしまいそうだ。

最後の数字は「2」!

入力が終わり、決定ボタンを押す。

同時にカチャッと鍵が開く音と「捕まえろ!!」という男の怒号が後方から聞こえてきた。

振り向くとクマの面をつけた3人の男たちが全速力で走って向かってきている。

その手には警棒のようなものが握りしめられていた。