メンバーズカード、クレジットカード、レシート。

当たり障りのないものばかりが出てくる中、指先に硬い感触が触れた。

これもカードみたいだ。

そう思って引っ張り出したとき、緑色のクマの絵が見えた。

カードに印刷されたそれに呼吸が止まりそうになる。

ひっくり返して確認してみると、この遊園地の入場カードであることがわかった。

男のID番号と、遊園地が設立された日付が描かれている。




「10年も前からあるのかよ」




智道が日付を確認して顔をしかめる。

そんなに昔からこの遊園地はひっそりと運営していたことになる。

私達の耳には一切なんの情報も入れないままに。




「もしかしてこの数字!」




設立されたのは今から10年前の8月12日らしい。

ドアの暗証番号は確か4桁だ。

頭の中に0812という数字が浮かんでくる。

智道は大きく頷いた。

「そうかもしれない。行こう!」