「持ち物を確認してみよう」




こうしている間にも他の監視が気がついてかけつけてくるかもしれない。

その前にやれるだけのことはやってみないと。

私は監視が来ているグレーの作業服に手を伸ばした。

動きやすいように足元は運動靴だ。

いつでも私達と対決できるようになっているんだろう。

まず目に入ったのは腰につけられている鍵だった。

それは昨日も見た、私達の寝泊まりしている部屋の鍵らしい。

一応確認してみるが、とくに変わったところはない。

次にズボンのポケットを弄る。

後ろポケットには小型のトランシーバーが入っていた。

これで仲間と連絡を取り合っていたのだろう。

今回は仲間に連絡を入れる前に息絶えてしまったようだけど。

次に出てきたのは財布だった。