監視はさっきと同じ状態で床に座り込み、頭を下げていた。




「おい」




智道が声をかけるけれど反応はない。

首から流れ出た血が通路に血溜まりを作っている。

監視の手首をとって確認してみると、脈がないことがわかった。




「死んでる」




私の言葉に智道が舌打ちをする。

こんなことになるなら生かしておくべきだった。

これで暗証番号は絶対にわからない。

絶望感が胸に広がっていったとき、智道が監視の面に手をかけた。

一気に引き剥がすと青白い顔をした男の顔が出てきた。

見たことのない顔だ。

年齢は40歳後半くらいに見える。