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「そんなことをしても無駄だ……。お前たちの体につけられている機械が反応する」

監視の言葉に私と智道は目を身交わせた。




そう言うと思っていた。

だから私達は昨日の別れ際に握手を交わしたんだ。

小さな、手のひらサイズのドラーバーを手渡しするために!

智道はガーゼの中に小さなプラスドライバーも仕込ませていた。

作業を終えて座り込んでいる間に、体半分をベルトコンベアーで隠して見えないようにした。

そして、ドライバーを使って腹部の機械のネジを緩めたのだ。

同じように座り込んでいた私にはその様子がしっかりと見えた。

智道からドライバーを受け取った私は今朝シャワーを浴びているときに自分の機械のネジを緩めることに成功した。

ただ緩めるだけじゃ機械は作動してしまう。

一度カバーを取り外して中を確認した。

すると、体内に入り込んでいる線を取り外すことができたのだ。

電流を流したり、人の行動を操っている線は簡単に外すことができた。

あとはカバーを元通りつけておけばバレることはない。