「お前ら……どうして……」




中途半端に横倒しになった監視が呟く。

智道が肩で呼吸をしながら持っているメスを見せた。




「少し、監視が軽すぎたな」



「盗んでいたのか……」




部屋の中も監視されていたはずだ。

だけど道具を持ち出すことは簡単だった。




「こんなにうまくいくなんてな」




智道はそう言って微笑んだのだった。