食堂から出ていく香菜が手をふる。

私も手を振り替えした。

ここから先は廊下に等間隔で監視役が立っていて、みんなそれぞれ自分の仕事部屋へ向かうことになっていた。

昨日と同じ部屋に近づいてくると、前方に智道の姿が見えた。

思わず駆け寄りそうになるけれど部屋の近くにクマの面をつけた監視が立っていたのでぐっと堪える。

昨日は大丈夫だった?

部屋の子たちはどんな人たちだった?

色々と聞きたいことはあるけれど、あとからだ。

私達は監視に見守られながらドアの前に立つ。

智道がドアノブに手をかけると、鍵はすでに開いていた。

私達が中へ入ってからロックされるんだろう。




「どうした、早く中へ入れ」