「もう……やめてくれ……」




手首に傷があることに気がついて私は息を飲んだ。

この傷、まさか!

そう思った勢いでビニールを剥ぎ取る。

そこに横になっていたのは大橋くんだったのだ。

青い顔をして目を閉じている。

長いまつげはピクリとも動かない。

今まで冷凍保存されていたのか、ヒヤリとした空気を身にまとっていた。




「大橋くん……!」




私はビニールを手から落として両手で口を覆った。

こんなこと、ひどすぎる!

大橋くんたちのチームはこの遊園地のシステムに踊らされまいとして自殺した。

それなのに、死んだあともこんな風に利用されるなんて!

あまりにも外道なやり方に腸が煮えくり返ってくる。

今ここに遊園地の関係者がひとりでもいたなら、私は躊躇することなく殺していただろう。