私は激しく左右に首を振る。

人の心臓を取り出すなんて、無理に決まってる!




「相手はもう死んでいるから心配ない」



「なにが心配ないんだよ!」




智道は叫ぶ。

その目には涙が浮かんできていた。

ろくでもない仕事だということはわかっていたけれど、まさかこんな仕事だなんて考えてもいなかった。




「道具は好きに使ってくれていい。臓器が痛む前に頼むぞ」




男がそう告げるとモニターがブツンッと音を立てて切れた。




「ちょっと! 私達にそんなことできるわけないでしょう!?」




声を張り上げても返事はない。

モニターはまたモーター音を響かせて天井へと引っ込んで行ってしまった。




「こんなのできない。絶対に無理だ」