労働すること。

なにかを解体すること。

それだけしか情報がない状態でこの部屋に閉じこまめられたって、どうすることもできない。

もう1度部屋の中を確認してみようとしたとき、低いモーター音と共に天井から大きなモニターが下がってきた。

そのモニターは私達の目線の高さで動きを止めて、電気がついた。

しかし、画面上には誰の姿も見えない。

なんだろう?

と、いぶかしげに思っていると今度はベルトコンベアーが動き出した。

突然動き出したベルトコンベアーに驚き、身を引く。

ベルトコンベアーは低い唸り声を上げながらゆっくり動き、そして隣の部屋からなにかを運んできた。

そのなにかはグリーンのビニールで覆われていて、かなりの大きさがある。

ビニールは下にあるなにかを隠しているけれど、その形状はくっきりと浮き出ていた。

私から向かって右側が足。

左側が頭部であるのは明白だ。

もちろん、人間の。

私は智道と視線を見交わせた。

智道は大きく息を吸い込んで、今にも泣き出してしまいそうな顔をしている。

ビニールで覆われていても、血なまぐさい匂いが鼻腔を刺激してくる。