園内にあるあらゆる機械を思い出していく。

そんなものの解体が、知識もなんにもない自分たちにできるんだろうか。

不安が胸に膨らんでいったとき、クマがドアを開いた。

室内は想像していた以上に明るくて目を細める。

壁も床も真っ白で、天井からは廊下よりも明るい電球がつけられている。

一歩部屋に踏み入れてみると床がキュッと音を立てた。

丁寧に掃除されているみたいだ。

床にあるむき出しの排水溝が気になった。

でも一番気になったのは部屋の中央を占領しているベルトコンベアーだった。

それは隣の部屋から、隣の部屋へと続いているようだ。

私はベルトコンベアーの下をくぐって部屋の奥へと移動した。

そこにはラック棚が設置されていて、様々な道具が置かれている。

マイナスドライバー、プラスドライバーに混ざり、電動ノコギリやメスまで準備されていて眉を寄せる。

機械を解体するだけなら、メスなんていらないはずだ。

そう思いながら更に部屋の中の観察を続ける。

ベルトコンベアーの前には保冷バッグが置かれていて、隙間から白いモヤが微かに立ち上ってきている。

手を伸ばして開けてみると、ドライアイスが入っていることがわかった。

蓋を閉めてしゃがみこんでみると、バッグの横にはなにかのイラストが描かれているようだ。

ハートマーク。

なに、これ。