「やっと気がついたみたいだな」




尋がニヤついた笑みを浮かべて繭乃の胸に触れる。




「なにしてるの尋! やめてよ!!」




自分の彼氏が自分の目の前で他の女の体に触れている。

それがこんなに気持ちの悪いことだなんて、知らなかった。

全身に虫唾が走っているような感覚だ。




「俺たちはずっと前から付き合ってる」




繭乃が愛おしそうに尋の手を握りしめる。

やめて!

それ以上聞きたくない!




「はじめて会ったのは1ヶ月前だっけ? ダーツ場でだったよね」




繭乃が懐かしむように目を細める。

尋は頷いた。