クマに立ちふさがれた私の体には軽い衝撃が訪れていた。

その痛みに体をくの文に曲げて顔をしかめる。

これはなに!?

そう質問する間もなく、クマに担ぎ上げられてしまう。




「あまりに往生際の悪い子には電流を流すことになっている」




私を担いでいるクマが言う。

電流っていうのはきっと、腹部につけられた機械から流されているんだろう。

悔しさと痛みに唇を噛みしめる。

せっかく智道が逃してくれたのに、こんなにすぐに捕まるなんて!




「下ろしてよ!」




無駄な抵抗だと知りながらもクマの背中を拳で叩く。

着ぐるみがぼふぼふと音を立てるだけで、中の人間に当たっている感じはしない。

クマはなんの反応も見せずに歩き続けている。

園内ではあちこちで雑魚寝している子供たちの姿があり、そのどれもが疲れ果てていた。