ここまで全力で走ってきたから肺が痛くて息を吸い込むのも苦しいくらいだ。

だけど心はスッキリしている。

私はゲームに参加しない。

その気持が背中を押している。

シャッターの前までやってきた私は周囲の様子を確認した。

銃で撃ち落とされた男の子たちの死体はすでに片付けられていて、静寂に包まれている。

銃はどこから打ったんだろう?

園内に背の高い建物はたくさんある。

グルリと確認したところで、緑色のクマの着ぐるみがこちらを見ていることに気がついた。




「ヒッ」




息を飲んで後ずさる。

シャッターが背中に当たってガシャンと大きな音を立てた。




「ゲームを途中で放棄することはできないよ」




クマが機械的な声で説明するが、私は左右に首を振る。




「ゲームなんてしない。私はやめる」



「できないよ」