「でも、みんな初心者だと思ったからダーツに決めたんでしょ!?」




それが経験者だったとなれば話は全く違ってくる。




「私達が経験者だっていう証拠でもある?」



「そ、そんなのあるわけないじゃん!」

証拠があればそれを突き出しているところだ。




だけどなにもない。

ただの私の憶測でしかないのだから、繭乃が調子に乗って笑い始める。




「それってただの言いがかりじゃん。単純に私と尋が上手だった。それだけでしょう?」



「でも……っ」




絶対にそんなのは嘘だ。

だけど証明できない。

反論しても適当にかわされて終わるだけだとわかっているから、余計になにも言えなくなってしまった。

黙り込んでしまった私に繭乃が勝ち誇った笑みを浮かべる。

智道が青い顔で線の手前に立った。