「おやぁ? 残念だったね、0点だ!」




クマが楽しげな声を上げる。

ここから50点を2回取ったとしても繭乃と尋に勝つことはもうない。

智道は愕然とした様子でその場に立ち尽くしてしまった。




「ほら、早く2投目を投げなよ」




クマに催促されて智道は再び矢を持つ。

しかしその指先は微かに震えていた。

まさかのミスで自信が揺らいでいるのが見えていてもわかる。




「智道落ち着いて、大丈夫だから」




繭乃の言葉に智道はうなづき、再び深呼吸をする。




「でも、結構難しいぞ」




智道は真剣な表情でそう言った。




「私にもできたんだから、大丈夫だって!」