「ダーツ得意なのかも」




すっかり舞い上がった繭乃は鼻歌を歌いだしそうなくらい上機嫌だ。

もう自分が負けることはないと思っているのかもしれない。




「次、3投目」




そういうクマの声色がなんとなく面白くなさそうに聞こえたのは気のせいだろうか。

すでにリラックスしている繭乃が線の前に立ち、最後の矢を投げる。

矢は再び40点のところに刺さった。




「3回投げて110点か」




智道が呟く。

それがいい点数なのか普通くらいなのか、私にはわからない。

でも、少なくても悪い点数ではなさそうだ。