そのゲームってなに?

その質問が喉まででかかって寸前で止めた。

別に園内でやりたいことなんてないから、聞く必要もない。




「ゲームに負けた人はクレジット人間と呼ばれるよ!」



「クレジット人間……?」




智道が不快な表情を浮かべて呟く。

クマは大きく頷いた。




「外の世界のクレジットカードみたいなもんだね! 一括払いもできるし、分割払いもできるってこと!」




人間がクレジットカード代わりになる?

どういうことだろう。

さっきクマが説明したように、労働して支払う以外にもなにかありそうだ。




「ゲームの種類は、ジャンケン、ダーツ、トランプだよ。好きなものを選んでゲームしてね」



「そんなことより、外に出たいんだってば!」




繭乃が思い出したように叫ぶ。

クマはその言葉を無視して園内パンフレットを繭乃に手渡した。

そしてスキップをしてその場を去っていく。