繭乃がクマに質問して、クマがうんうんと頷いて見せた。

私と智道は目を身交わせて息を詰める。

このままゲームをすればどちらかが必ず負けて労働へ行くことになる。

そしてダイヤモンドを手にしても、私と智道だけはここから脱出することはできない……。

ゲームをしたとしても勝つか負けるかはまだわからない。

私が勝つ可能性だって残っている。

そうなれば、なにもせずにただ遊園地内で待っているだけで外へ出ることができて、大金を手に入れることもできるんだ。

ゴクリと唾を飲み込む。

待って。

落ち着いて。

本当にそんなにいい話があると思う?

繭乃の性格は最悪だし、尋も遊園地へ来てからはお金に目がくらんでいるときがあるみたいだ。

そんなふたりの言葉に踊らされちゃいけない。

ちゃんと自分の頭で考えないと。

それでも心はグラグラと大きく揺れ始めていた。

ここでふたりだけにゲームをやらせていいのかどうか、判断がつかない。

そうしている間にも尋と繭乃はクマに近づいてどのゲームを行うか相談し始めている。