人の彼氏を無理やりとっておいて、よく彼女面ができていたものだ。

私は智道に手を差し伸べられて立ち上がった。




「もういい。それならふたりでゲームをしよう」




とんでもない提案をしたのは尋だ。

いつの間にかクマの着ぐるみが近くに立っていて、その手には2種類のゲームが入った箱が準備されていた。

ダーツとトランプだ。




「違うの! 私達ゲームなんてしないから!」




慌ててクマへ向けて言うが、クマは首をかしげてこちらを見つめるばかりだ。




「ゲームはする。俺と繭乃で勝敗を決めて、どちらかが労働に出る。それで問題ないだろう? その代わりダイヤモンドを手に入れても恵利と智道には渡さない」



「そうね。それでいいじゃん。ゲームをしたくない人間は参加しなくていい。そういうこともできるんでしょう?」