「それにね、負けた人間1人だけをクレジット人間にする必要はないんだって」




その言葉に私は眉を寄せた。




「例えばババ抜きで最下位になった人と、3位になった人がふたりで労働することもできるってこと。そのシステムを活用すればダイヤモンドなんてあっという間に手に入る!」




繭乃の声がオクターブ高くなる。

すでにダイヤモンドを手に入れたような喜び方だ。




「ちょっと待ってよ。一体どのくらいのダイヤモンドがほしいっていうの?」




ダイヤモンドだって値段はピンキリだ。

まずはそこを聞いてからじゃないと話しにならない。




「3億円のダイヤ」




繭乃が躊躇せずにはっきりと答える。