「でも、それができるのがこの遊園地の強味でしょう?」




チームのひとりが死ねば何千万円も手にして外へ出ることができる。

だけど繭乃の場合は外へ出ることではなく、宝石を手に入れることにお金を使おうとしている。

繭乃の考え方は危うい。

この遊園地のシステムを最大限に利用しようとしているのがわかる。

短期間で高収入。

そんな甘い罠にハマって抜け出せなくなってしまうかもしれない。




「見てよ!」




繭乃がなにかを見つけたように明るい声を出す。

今度はなに!?

呆れながら視線を向けると、宝石店の隣には質屋と書かれた小屋があるのがわかった。




「購入した商品は現金に変えられるんだよ! 途中で脱出したくなったら、購入した宝石をお金にできるってこと!」