「そうかもしれないけど、今必要ないだろ!?」




智道が徐々に苛立っているのが伝わってくる。

繭乃はどうしてそこまでして宝石を手に入れたいんだろうか。




「そんなに欲しいなら、自分が働いて10万円を手に入れればいい」




智道が続けて言う。

チーム内でゲームをしてクレジット人間を決める必要はない。

自販機でジュースを買ったときだって、自分たちで簡単な仕事をして小銭を手に入れたんだから。




「数時間で10万円を貰おうと思ったら、どんな労働だと思う?」




繭乃の言葉に私は目を見開いた。




「たった数時間じゃ無理だよ!」




私たち学生がアルバイトで10万円稼ごうと思えば一月は必要だ。

それなのに繭乃は数時間で10万円を手に入れようとしている。