尋が叫ぶ。

そんなことわかってる。

今自分がしていることが無意味なことだって、わかっている。

でも……でもっ!

体から力が抜けていく。

だめだ。

これじゃ心マッサージができない。

また力を込めて押そうとするけれど、うまくいかない。

まるで体が自分のものじゃなくなったような脱力感がある。




「恵利!!」




尋の腕が私の体を後ろから抱きしめた。

同時にその場にへたり込んでしまう。

心マッサージを続けていた両手は小刻みに震えていて、自分が泣いていることにようやく気がついた。