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「お願い。お願い生き返って」




今呼吸を止めてしまった男の子の胸を押す、押す、押す。

学校で習った心マッサージだ。




「まだ死んじゃダメ。絶対みんなで脱出するんだから!」




体重をかけて懸命に心拍を再開させようとするが、男の子は目を開けない。




「恵利。もうやめよう」




尋が横から止めようとするのを振り払って続ける。

だってついさっきまで生きていた。

1分前まで呼吸をしていたんだから、きっと助かるはずなんだ。




「今息を吹き返したってどうせ無駄だ。血液がないんだから!」