「ちょっと、あんたナメてんの!?」
繭乃が顔を真赤にしてクマに殴りかかろうとする。
智道が慌ててそれを止めた。
クマは楽しげに体を揺らして残り2つになった風船までも手放してしまった。
ゆらゆらと空へ浮かんでいく風船を見つめて胸の奥に不安が膨らんでいくのを覚える。
今のクマの行動は、4人が天へ召されてしまうような意味合いに感じられたからだ。
もちろん、そんなのは私の思い違いなもしれない。
深い意味なんてなくて、ただ意地悪をしただけかもしれない。
それでも私は緊張から何度も唾を飲み込んでいた。
しばらく沈黙が続いた。
繭乃はクマを睨みつけているし、智道はそんな繭乃とクマの間に立って冷静に様子を伺っている。
誰もがなにも言わなかったそのときだ。
「ここは子供世界」
重たい雰囲気に不似合いな、甲高い機械音がクマの体から聞こえてきたのだ。
尋がハッとして息を飲むのがわかった。
クマはおしゃべりに合わせて手を降ったり、体を動かしたりしている。
「たくさん乗り物に乗って、好きに遊んでいいんだよ」
「何言ってんの。お金だって持ってないのに」
繭乃が顔を真赤にしてクマに殴りかかろうとする。
智道が慌ててそれを止めた。
クマは楽しげに体を揺らして残り2つになった風船までも手放してしまった。
ゆらゆらと空へ浮かんでいく風船を見つめて胸の奥に不安が膨らんでいくのを覚える。
今のクマの行動は、4人が天へ召されてしまうような意味合いに感じられたからだ。
もちろん、そんなのは私の思い違いなもしれない。
深い意味なんてなくて、ただ意地悪をしただけかもしれない。
それでも私は緊張から何度も唾を飲み込んでいた。
しばらく沈黙が続いた。
繭乃はクマを睨みつけているし、智道はそんな繭乃とクマの間に立って冷静に様子を伺っている。
誰もがなにも言わなかったそのときだ。
「ここは子供世界」
重たい雰囲気に不似合いな、甲高い機械音がクマの体から聞こえてきたのだ。
尋がハッとして息を飲むのがわかった。
クマはおしゃべりに合わせて手を降ったり、体を動かしたりしている。
「たくさん乗り物に乗って、好きに遊んでいいんだよ」
「何言ってんの。お金だって持ってないのに」