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クマを連れてきた私を見て他の3人は驚いた表情を浮かべていたが、医務員がいなかったことを説明すると、納得してくれた。

クマは浅く呼吸を繰り返している男の子の隣に膝をついて座ると、タブレットを取り出した。




「早くなんとかして!」




男の子の顔色はさっきよりも悪くなっている。

出血量も増えたかも知れない。

私は持ってきた包帯を男の子の手首に巻きつけていく。

できるだけきつく、これ以上血が流れないように。




「ねぇ、なにしてんの?」




繭乃がクマへ向けて声をかける。

しかしクマは「しーっ」と、口元で人差し指を立ててみせた。

タブレットでどこかへ連絡を入れて、対処してもらうつもりなんじゃないだろうか?

そう思っていたけれど、横から覗き見たタブレットを見て私は絶句してしまった。

タブレットに表示されていたのは配信画面で、今死ぬかも知れない男の子の姿を撮影していたのだ。