「お願い助けて!」




気がつけば私は叫んでいた。

クマが動きを止めて振り返る。




「死にそうな子がいるの、助けて!」




その言葉にクマが自分のことを指差して首をかしげる。




「そう、あなたに助けてほしいの! もちろん、その分のお金は労働で支払う! だからお願い!」




クマがこちらの味方をしてくれるかどうかなんてわからない。

でも、今は私も必死だった。

クマは思案するようにその場にとどまっていたけれど、すぐに近づいてきた。