でも、貴重な仲間が減ってしまった。

大橋くんと再び会えたのに、こんな姿で会うなんて……!

こらえていた涙が溢れ出してきて視界が滲んだ。

ほんの少し仲良くなっただけのチームだけれど、一緒にいた時間は大切なものだった。




「この子はまだ生きてる!」




男の子の脈を確認していた繭乃が叫ぶように言った。




「本当に!?」




見ると男の子は顔色は悪いけれど微かに呼吸音が聞こえてくる。

助けられるかもしれない!




「今すぐ医務室に運ぼう!」



「それよりも医務員を呼んでくるほうがいい。手首を切っているから、動かすと出血が増えるかもしれない」