「あれ? 三角のバッヂってたしか大橋くんのチームだよね?」




ここに来てすぐのとき、フェンスを登って逃げようとしていたチームのことを思い出した。

あのチームとなら話が合うかもしれない。

誰も傷つけずに脱出する方法を探してみるんだ。

そう思って近づいていったとき、妙なことに気がついた。

みんな同じように目を閉じて、胸の上に手を重ねて眠っている。

肌の色がやけに白くて、まるで生気がないように見える。




「ねぇ、大丈夫?」




膝をついて声をかけるけれど反応はない。

大橋くんの肩を揺さぶってみると、胸の上におかれた腕がダラリとたれた。

その手首からは赤い血が流れ出していて息を飲んだ。