目の前でどんどん人が死んでいく。

自分と同い年くらいの子たちの命が消えていく。

それでもなにもできなかった。

駆け寄ることもできず、見ていることしかできない。

絶望感が胸の中に広がっていき、すべてのやる気が失われていく。




「とにかくさ、もう1度遊園地内を調べてみない?」




平気そうな声色で言ったのは繭乃だ。

繭乃だって何人も無残に死んでいくのを見ているはずなのに、さっきから顔色ひとつ変わっていない。




「そんな気になれない……」




小さな声で返事をすると尋が肩に手を置いてきた。




「ずっとここにいても気分が滅入るだけだろ。少し歩こう」