それにつられて私も視線を向ける。

そこには由紀子と同じチームにいた残り3人が立っていた。

3人の元にクマの面をつけたスーツ姿の男がひとり近づいていく。

その手にはアタッシュケースが握られている。




「これが約束の商品です」




男はそう言うとケースの蓋を開けて中身を見せた。

ここからでもわかる。

ケースの中には一万円札の束が何枚も入っているのだ。

息をすることも忘れて私はそれを見つめていた。




「サンキュ」




リーダー格の男の子が軽い調子でケースを受け取ると、3人は歩き出した。




「これで外に出られるね!」



「あぁ。3人で外に出てもまだお金が残る。それは山分けだな」