智道の言葉に私は頷いた。

この遊園地から脱出しないといけない。

けれど、その方法は今の所見つかっていなかった。




「簡単よ」




答えたのは繭乃だった。

繭乃は刺激的な炭酸ジュースを片手に持っている。




「簡単って?」




眉を寄せて聞き返すと、繭乃は近づいてきた。




「この遊園地内に順応して暮らすか、出ていくか」



「出ていくことなんてできないじゃん」




クマの説明では、外へ出るためにはひとり一千万円が必要になるらしい。

そんな大金を稼ぐためには何年も働く必要がある。

しかし繭乃は視線をメリーゴーランドの方へと投げた。