「駐車場は一緒だったんすね!」

「だな、好都合」


移動を始めた私たちだけど、駐車場へと向かう道はすっごく混んでいた。

晴樹とお兄ちゃんが先頭を歩く中、人に溢れた屋台の道では浴衣はどうにも歩きづらくて、私は少しずつ遅れをとっていく。

前にいるシュンくんとの間に人が流れ込み、私は少し焦った。


…やばい、はぐれちゃう急がないと。


そんな気持ちの焦りが良くなかったのか、履きなれていない下駄がもつれて、私は勢いよく躓いた。


「…うわっ」

小さな悲鳴と共に、シュンくんにぶつかった私。

驚いたように私を支えた彼は、あきれ顔で見つめた。


「もう、危なっかしいな」


立ち止まったことで、シュンくん以外は完全に遠くへ行ってしまい、私の身長ではもう誰も見えない。

シュンくんは、手で道の先を指差し、真ん中あたりにいた恭弥と何やら意思疎通を図っていた。