「さ〜ざ〜な〜みぃぃぃぃ!!!!」
「なんでしょうか、茉由様」
私、綾野茉由(あやのまゆ)が呼べばすぐ来る執事。
それが、漣東郷(さざなみとうごう)。
エリート執事一家の育ちで優秀。
執事業だけじゃなくて、
頭もいいから成績も常に1位。
「漣、私これ以上頑張れない」
日頃のうっぷんを漣にぶつけた。
ほんの出来心でぶつけたつもり。
なにも返ってこないと思ってた。
でも…………
「茉由様はいつも頑張ってるよ」
そう言って微笑んでくれた。
「…っ、漣ありがとう。私ね、これ以上無理」
そう告げて私は彼に唇を重ねた。
私を何も言わず受け入れてくれた彼は、
基本的には、ツンデレで何を考えてるのか分からない。
だけど…………
──────私にだけ優しい年上執事様。
END