本当に好きなら、愛してるなら、長嶺さんのことを信じるべき。

 初めてのデートの日ぐらい、大手を振って楽しめる彼女でいるべき。

 それなのに、噂や周りの人に振り回されて、疑って落ち込んで……長嶺さんはずっと優しい愛をくれてるのに、私は自分の感情を制御できずに長嶺さんを困らせてしまう。

 自分がどんどん嫌いになる。

 長嶺さんを好きになればなるほど、自分の弱い部分が浮き彫りになって、嫌いになる。


 長嶺さんといたら、これから先ずっとこんな気持ちと付き合っていかないといけないんだろうか、なんて。



「すみません……すみま、せ……っ」



 またそんな自分勝手なことばかり考えて。




「…………理子ちゃん」


 長嶺さんが私から体を離して目を合わせる。



「つらい……?」



 そうかすれ声で聞く長嶺さんの表情が、心から私を心配してくれてるそれで
 少しでも疑ってしまった罪悪感で胸が苦しくなる。