そう言った麗華さんの表情が、お父さんが出て行った時の母の表情と似ていて、サァ、と血の気が引いた。



「あ、麗華いた。あれ?友達?」


 ワイルドな雰囲気の男の人が麗華さんに声をかけた。


「友達っていうか、仲間かな?ね!」


 フフ、と私に笑いかける麗華さんに、ゾッとする。


「じゃ、良いクリスマスを!」


 麗華さんは、明るい笑顔で私に手を振り、その男の人の元へと去っていった。



「……」


 もう、これまで何度も疑って。
 それでも長嶺さんはちゃんとまっすぐ向き合って、ちゃんと答えてくれた。
 そうだ、メッセージだって受信するたび見せてくれたり、私が不安になりそうなとき長嶺さんはいつも気遣ってくれて……

 ……でも

 それも全部、うまくやればいくらでも誤魔化せる?

 私がめんどくさそうな女だから……付き合ってるテイにしてる……?