すかさず麗華さんから離れると、麗華さんは「あれ~?」と嬉しそうに笑う。

 
「何ビックリしてるんですか?もしかして知らなかった?ほかにもセフレいるって」

「う、嘘です。セフレは全員切ったって聞いてますし、私はセフレじゃないって……」

「え!?もしかして自分は本命だと思ってるんですか!?」

「っ……、思って、ます」


 あっはは!と麗華さんが心底おかしそうに笑う。


「絶対セフレじゃないって証拠はあるんですかー?」

「証……拠……証拠、は……」


 証拠なんて、どうやって……


「あはは!もーほんとあの人サイテーだなー、こんなウブな子に手出すなんて!」


 麗華さんが長い足を組み替える。


「あんなハイスぺな男があなたみたいなつまんない女ひとりに絞るわけないでしょー?」


 ……だめだ。 聞いてはいけない。


「あの人ね、性欲有り余ってるんですよ。わたしなんて会社終わった後いつも呼び出されてセックスしまくってたしー」


 麗華さんのありえない暴露を、私は懸命に首を左右に振って追い出す。


「っ、嘘です。遊びの女の子とは全員切ったって聞いてます。私と光さんは本気で付き合ってます。さっきだって光さん『付き合ってる』ってちゃんと言ってくれました」

「あっはは! ウケる! 真に受けちゃってるんですか!?」

「え……」