「あ……えっと……」


 ……しまった。何してるの、自分からバラしに行くようなこと。
 これから仕事するとき気まずくなるだけなのに。


「え……あなた……え?」


 麗華さんはみるみる顔を曇らせていく。

 まだ間に合うかも。 今、「冗談です」とか言って訂正すれば間に合うかも。
 冷汗のにじむ手を握りしめたそのとき、



「理子」



 光さんが、私の名前を呼んだ。

 麗華さんが凍りついたように固まる。

 光さんはそのまま麗華さんを置いて、満面の笑みで私の元へ歩いてくる。


「もうすぐプロジェクションマッピングのショーが始まるんだって。入り口からちょっと遠いけど、歩ける?」

「あ、は、はい」


 言いながら私の目の前まで来た光さんは、私の手指に指を絡めた。


「!」


 まさか麗華さんの前でそんなことまでされると思わない。


「えっ、あ、あの、」


 麗華さんの顔色が気になって挙動不審になりながらチラチラ見てしまうと、