「っ……、」


 ……き、

 気持ちいい。


「ん……、長嶺、さ……」

「……」


 長嶺さんの左腕が首後ろを回って肩を抱き、もう片方の手でシートベルトを外す。

 そのまま座席横のレバーを動かして、シートごと私を押し倒す。


「ん……ふ、」


 暗い地下駐車場の車の中。

 唇を甘やかすような優しいキス。

 とろけるほどのそれは、考える力を徐々に奪っていく。

 長嶺さんの気持ちが流れ込んでくるようで、私も好きって気持ちがどんどん溢れて、止まらなくなる。


「っ、んん……っ」


 ……やばい。

 これ、やばい。

 だっていま、みんなまだ仕事してる時間だし

 車の中だし、なんならユメアリフーズの駐車場だし

 それに、


「っ、……は、」


 なんかだんだん、濃くなっ――……




 バタン!



「「!」」



 近くで、車の扉が閉まる音がした。