卒業式が終わってから、浅倉と会うことはなかった。


でも僕の心から消えることはなかった。



僕が生きていた中でたったの2年間というのは短いかもしれない。


それでも2年間ずっと浅倉を想い続けた。


そして10年たった今でも忘れてなんかない。


病気だと言われていた僕がここまで生きてこれたのは、浅倉の笑顔が心の中で生き続けていたからかもしれない。



この瞬間僕は生涯に幕を閉じようとしている。



もっと生きたかった。


そう思ってももうどうすることもできない。



今、卒業アルバムを閉じると同時に浅倉との思い出も心の中にしまう。



その瞬間、僕はこの世からいなくなる…。


でも浅倉はこの世界のどこかで必ず生き続けている。


そして…


僕の心の中でも生き続けている。




〜浅倉へ〜
転校してきてから今まで好きでした。卒業式のときに告白するのはおかしいかもしれない。今、浅倉がこの手紙に気づいたのはいつごろかな…。将来会えるといいね。
   〜中澤より〜